ラッコアラさんの「サバイバル体験会」に全力で参加してみた。
ラッコアラさんとは
「週末だけサバイバル体験をする」というガチなブログを運営されているラッコアラさん。
火おこし器を作ってみた記事や、アライグマを解体した時の記事(かなりのインパクトがある閲覧注意な記事です)など、その本気度がうかがえます。
なんと「サバイバル体験会」という、都内のおしゃれなレンタルスペースで「虫鍋」をしようという企画を開くそうな。
※ちなみに体験会当日の様子はラッコアラさんのブログでご報告されてます。
サバイバル体験会(虫鍋)に全力で参加してみたご報告。
虫鍋を食す機会とは意図的にでも行わなければほとんど無いと思います。今回はそんな貴重な体験会に参加してきたご報告をします。
虫を食べるとは。
体験会開催のお知らせを見てまず思ったことは…「虫を…食べる!? う、うぇぇ。そんなん無理!」と、まぁ虫を食べる習慣がない人の一般反応です。
ただそう思う反面、昔から「虫を食べる」ということに気にはなっていました。
「なぜ虫を食べるのか。」それはつまり「なぜ虫を食べないのか?」ということ。
地方によってはイナゴの佃煮とかありますよね。おれの生まれた地方には「しゃこ」というエビのような生物を食べる習慣があり、
(画像:ウィキペディアより)
しゃこは何度か口にしていたことがありました。まさにエビのような食感です。おれはちょっと苦手でしたけど。
しかし「虫を食べる」という意味は、そういう料理や食材として定着していたりするものとは一線を越すのです。
この違いというのは何かな!?単なる習慣か?米人が「イートオクトパス!?オーぉぉノぉ〜!」というような事なのか。
参加前日までの準備
ということで人生一度は虫を食してみようと思っていた中でのラッコアラさん企画。こりゃ虫を食べるなら今でしょ!参加するしかないでしょ!
参加に必要なことは「虫を食べる勇気」だそうで。それが一番の難題ですから(笑)
ラッコアラさんにお会いできる楽しみを大幅に越えるほどの不安を抱えつつ!!参加を決意したのでした。
なんせ美人アラサーOLさん(おっと下心が。)もしかしたら男子の参加が多いんじゃないかな。と思っていたらラッコアラさんからのご報告、参加者人数は「1名」とのこと。
…えっ? 1名って…おれの他に1名ってこと?何なら取材にくる人とかいるんじゃないの??
どうやらおれ1名のようです。
こりゃまずい。
ブログ的・シチュエーション的にはおいしい。だがまずいだろ。
企画って意外とタイヘンですし。立ち上げやら集客やら当日以降の後処理まで、あらゆることを考え実行しなければいけない運営の影の苦労があったりします。
で男女タイマンとなると、流石にラッコアラさんも不安でしょ。それとも(最悪はスリングショットで仕留めたらいいか)ぐらいの気持ちだろうか?
せっかく参加するんだし、運営を盛り上げる協力的な方向でいってみることにしました。
①まずフェイスブックで周囲に告知
「誰か、おれと一緒に虫を食べる勇者はおるか?」
興味本位で参加してくれる知人友人たちがいるんじゃないか?と、フェイスブックで告知するも反応ナシ。むむむ、厳しいぞ。
②次に、個別に声かけ・・・?
と思っていたものの、フェイスブックの反応を見る限り(こりゃ誘わない方が良い側のことだ)という感覚を得たため、結局誰も誘えなかったのですねぇ。いや、電話はかけたんですけどね、他愛のない会話で終わらせてしまったり。。。
なのでラッコアラさんすみません。「知り合いに個別に声掛けしてみますね」っておれ言ったけど、できませんでしたー!ホントは言えませんでした!サーセン!(さらっと暴露)
③んで、あとはブクマのコメント欄。
はてなブログ記事には、ブックマークというお気に入り登録とコメントができる機能があります。
とりあえずブックマークへのコメントはしないでおいたんだけど、、、今回は有効活用した方がいいよなー、ということでラッコアラさんの参加者募集の記事に「参加申し込みさせていただきました!楽しみにしています! 」という自然で無難なコメントを残す。他の参加者を促す作戦です。しかしこれも無力だった。
結果、参加はおれ1人。けどそんなやりとりを報告しながら当日を迎えていったんで、ラッコアラさんの不安はある程度取り除けていた…んじゃないかな。
当日のそうび
参加への心境を数値化すると、期待感が100としたら不安感は200。
「そうだ。虫、食べよう!」と思っていても、なかなか気が重いのです。とはいえキャンセルするつもりはないのです。なんでしょうねぇこの義務感は(笑)
当日を無事に乗り切るために、いろいろと準備を考えました。
準備① 癒やしアイテム
いい匂いのするタオル
嗅覚はダイレクトに脳に伝わります。虫の実食がしんどくなっても、いい匂いの癒やし効果で回復できるかもしれない。
ということでちゃんとお洗濯した、いい匂いのするタオルを用意。ビニル袋に入れて保管。
準備② 食感切り替え対策
コーラ(小)
はたして虫の食感はどんなんだろうか、、、もしかしたら口の中をリセットしたくなるかも。
なるべく刺激の強く、かつ「なんじゃいそりゃ!?」って思われないであろうコーラを用意。
爽やかになるひととき!
準備③ おみやげ
ちょっとしたお土産くらいなら恐縮されずに受け取ってもらえるかな?ということで、チョコを用意。
準備④ 虫を食べてお腹痛くならない?
飲むヨーグルトを飲む。
胃に粘膜を張っておいた方が良いだろうか。眼にも優しいであろうプルーンFe入りの飲むヨーグルトを飲んでおく。もはや何の準備をしているか不明。(酒じゃないから!)
準備⑤ 「あれ」をお願いする心の準備。
あれとは何でしょう。答えは後ほど。
そして会場へ。
会場に到着し、玄関のチャイムを鳴らす。
「は〜い」という女性の声が奥から聞こえる。おおう、なんだか気恥ずかしいぞ。
そしてラッコアラさんご対面!
(画像提供:ラッコアラさん)
※本当に二人だけだったので、写真もどちらかが撮る方式です。
簡単な自己紹介を済ませ、「後で一緒に食べましょう」とお土産のチョコを渡し、さっそく虫鍋の準備にとりかかります。
今回はコオロギとミールワーム、野菜が入った鍋です。コオロギが良いダシが取れるそう。
ざっと量を見るとがっつり2~3人分。そりゃそうですよね。。。
もちろん来る前にも食べる覚悟を決めていたものの、改めて食材を目の前に、覚悟を決めなおす。(この後も何度かためらう)
コオロギは茶褐色な羽のあってリンリン鳴くような成虫をイメージしていたけど、うすい茶色のやわらかそうなやつでした。
ミールワームって何なんのか当日までよくわからなかったけど、イモムシみたいなやつね。
作業工程
・まずは虫を洗う。
これから食べようってのに流石に「えぇーさわれな~い」とか、んなことはないです。とはいえコオロギはピョンピョン跳ねるしミールワームはうねうねしてるし、なかなかハードだ。
んで、
・コオロギでダシを取る。本当にダシ取れてる!
・ミールワーム入れる。
・野菜を刻み、鍋に入れる。
なんの変哲もなさそうな鍋。こちらのお野菜の下には、コオロギ、ミールワームが。
休日。
都内のおしゃれなレンタルスペース。
男女二人が手料理会を楽しむ。
どうですかこのシチュエーション!
だが虫の実食というこわーい本編がそれらを遥かに凌駕する。
出来上がった虫鍋。
やはりためらいがある。何度もスタートを確かめる。いただきますはちゃんと言えていただろうか。
気が重い。一歩が踏み出せない。なぜにこんなに怖いのか。おれに勇気をくれ!
こちらの仕込み
しかし、そんな時でも「ちゃっかり心」を忘れてはいけません。
今回はレポート記事にするつもりなんだから、ちゃんと「あれ」を言わなければ記事が完成したとは言えない!
そしてそのタイミングが来たのです!!
言うべき「あれ」とは・・・
dai「ラッコアラさんが あーん してくれないと食べれません。」
(何言ってるんだコイツ)そんな声が聞こえてくるようでした。
さぁはたしてラッコアラさんはどんな切り返しをするのか。
(こいつアホだろ)という苦笑いをして適当に流すか。
はたまた、困ったような表情を見せるか。
それともノリノリでガッツリ盛り込んでくるか。。。
想像のどれでもありませんでした。
ラッコアラさん「それはありません」
完璧な「無」だった。
一切の表情・感情がない「無」の世界がそこにあった。
一糸の乱れもない完璧な仕上がり。
すべてを無かったことにできるほどの強大な無の力。
この無の力が持つ包容力に包まれるしか選択肢はない。
あーんの件を「全くなかった事」にすることにしました。むしろ「なかった事にできるほどの完璧な無」だったのです。
覚悟を決め、何事もなく「いただきます」と一口目を口にしました。
実食。
味だけ言うなら(なんて言ったらいいかわかりませんが)植物というより動く生物系の、どこかで食べた食材の味です。そしてミールワームはアーモンドの香ばしさがありました。コオロギはもっと足がザラザラするかと思いましたが、全然そんなことはありません。
しかし食べ慣れるかというと、、、きょう一日では無理。何日かかけたら慣れる…?うーーーん。むずかしい。でもとりあえず、さっき作った虫鍋の量はさっと食べ終わる量ではないんだよねぇ。 。。
とりあえず完食を目指します。
慣れない虫の食感に、硬めに仕上がったニンジンの食感が助かったり、
豆腐のターンになった時に自然に「あぁぁ」と深い安堵のため息が出たり。
野菜→ラッコアラさんとの会話→虫onにんじん→ラッコアラさんとの会話
なんて風にちびちびと食べ進めます。
それでも抵抗感が大きく、コーラを投入。
コーラのシュワシュワ感で気持ち改め…
野菜→ラッコアラさんとの会話→虫onにんじん→コーラ→野菜→会話→・・・
それでもしんどい。進みが遅い。
完食までが遠いですよ!!作ったからわかっているけど「おかわり」がたぁんとある。初心者におかわりってすんげぇハードル高いんですけど!?
よし、お土産(もしかしたらこうなるかもと思っていた)あれもいただいてしまおう。
dai「ラッコアラさんすみません、チョコもちょこっと…」
一緒に食べようとしたお土産チョコ、すみませんがお先にいただきやす。
チョコ→野菜→会話→虫→野菜→コーラ→会話 →・・・
そして、つい完食!
オーバーな拒絶か?
それにしてもこの「虫を食べる抵抗感」は何なのでしょう。理由を必死に探しました。
(何で虫食べるのは嫌なんだろう。だってエビとかその姿のまま食べるじゃないか)
もしかしたら、無駄に拒みモードになり続けてるだけかもしれない。途中、気持ちを何度か切り替えてみました。
でも、やはりオーバーって訳でもなさそう。
これはきっと「習慣がついてない」ことと「食べ物として認識してないジャンル」という二つの理由があることが大きいんじゃないかな。
食べたことない「珍しい野菜」を食べれるのは「食べ物として認識してるジャンル」ということだろうし。
それでも食べれる人と食べれない人がいる。なぜか。
ラッコアラさんとの会話で当ブログのこともお話したんですけど、
dai「蛍光ペン6色を使う勉強方法とか研究してるんです」と言ったら
ラッコアラさん「6色は多いから3色でいいんじゃないか」とのこと。
虫を食べるにしても蛍光ペンを6色使うにしても「価値観や感性は人それぞれ」ということですね。似ていそうで違うところからが、人間関係のスタートラインなのでしょう。
虫を「食べ慣れてる人」と「食べ慣れない人」の感覚の差がどれくらいか。
虫を食べれる人と食べれない人との差がどれくらいか。
今回の量が「おかわり盛沢山」ではなく「虫数匹くらい」とするなら
「虫数匹・・・だと!? 生ぬるいんじゃー!」 ちゃぶ台がしゃーん!
くらいの感覚に対して
「虫を食う・・・だと!? ハードル高いんじゃー!」テーブルばぁぁーん!
( ;`Д´⁺)ノノ ┻━┻ガシャーン!! 対 バァァーン!! ┳━┳//(‘ロ´;)
くらいの感覚の違いがあるように思えます。
おわりに。
一度は虫を食べておきたい。その思いに火をつけて達成できたのも、イベントを実施して下さったラッコアラさんのおかげです。感謝!
もう少し大きいことを言えば、「人間が積み重ねて出来るようになったこと」って偉大だなって思えます。
現代社会で「未知の食材に命を懸けて試す」という必要がないのは、先人たちが体を張って「YES」or「NO」を確かめてきたからでもあるんだなぁと。
それに、もし食糧難になって虫しか食べ物がなくなってしまう時が来ても、今回の体験で虫が食べられるという経験が大いに役立つと思います。
ちなみにタオルの出番はありませんでした!
今回は以上です!